呪術廻戦ネタバレ感想77話!闇堕ち夏油の物語は0巻へと繋がる!!

こんにちは
くろいとりと申します。
長く続いてきた過去編もクライマックスへと差し掛かっている
「呪術廻戦」
今回はついにここまでやってきてしまった・・・という内容になってしまいましたね。
過去編なのである程度は予想出来ていた事ではあるのですが、呪術廻戦の世界観ならではのじっとりと重くのしかかるようなゆるやかな絶望が描かれました。
何が酷いってセンターカラーが漫才をしている五条と夏油というのがもうなんというか・・・。
漫才コンビの解散みたいな。
しかも本編には五条が名前くらいでしか登場しませんからね。
こんなに切ない「もういいわ」って言葉は聞きたくないですよ・・・。
とりあえず気になった所をまとめてみたいと思います。
呪術廻戦最新話77話「玉折-弐-」
特級呪術師、九十九由基
前回ラストで東堂でお馴染みの
「どんな女が好みかな?」
という質問と同時に現れた女性。
その正体は九十九由基という名の特級術師でした。
東堂を育てたはずの女性ながら、少し怪しさも感じられる九十九さん。
しかし自称「人を見る目には自信がある」という灰原によれば、「悪い人じゃない」との事。
とはいえ夏油が皮肉として「私の隣に座っておいてか?」と言ってますし、人を疑う事が出来ないタイプのようなのであんまり当てにはならなそう。
ただし彼は純粋に良い子みたいですけどね・・・。
ちなみに特級術師なんてこの時点では五条と夏油(いつの間にか特級になっていたらしい)、そしてこの九十九だけのようです。
しかしこの九十九さんは、「特級のくせに任務を全く受けず、海外をプラプラしているろくでなし・・」との噂が立っているようで、一人で働きまくっているはずの五条に比べるとかなり残念というか、高専からの評価は低いようですね。
特級という立場でありながらもそれだけ自由にしていられるのであれば、そりゃ京都の学長も1級が主力みたいな事を言いますよね。
特級にまともな人間はいない説ですね。
まあそんな事言っちゃえば呪術師にまともな人間はいないって事でもありますが。
呪霊の生まれない世界
そんな九十九さんが考えていたのは、高専がやっている対症療法ではなく、原因療法。
対症療法は呪霊が生まれたから狩る。
原因療法はそもそも呪霊が生まれない世界を作る。
当たり前ですが、彼女の考えは理想ですよね。
そりゃ生まれないのであれば、呪術師自体がいらない訳ですし、被害者も生まれませんから。
そしてそんな世界を作る方法は2つ。
全人類から呪力をなくす事。
もしくは全人類に呪力のコントロールを可能にさせる事。
これも当然ながら簡単な事ではないですよね。
伏黒父の本名解禁
まずは2つの方法の内の一つである、「全人類から呪力をなくす」方法を考えていた九十九。
そんな彼女が目をつけていたのはまさかの伏黒父。
彼の名前は禪院甚爾。
まさか死んでしまってから名前が判明するとは・・・。
やはり彼の天与呪縛は特別だったようで、完全に呪力が0だったのは世界中でも彼一人だったのだそう。
しかも彼は呪力0でも五感で呪力を認識可能。
呪力を完全に捨て去る事で逆に呪いの耐性を得たんだとか。
まあそれだけ特別製の身体を持っていて、しかも色々と策略を巡らすんだから強い訳ですよね。
五条を力技であそこまで追い詰める事が出来るキャラなんて、今後も出てこないような気がします。
九十九さんも、超人だから夏油が負けても仕方ない的な発言をしてますし、本当に覚醒五条でもなければ勝てない相手だったんでしょう。
しかし九十九さん、この後の星漿体の件もそうだけど、割と余計な事を言う所があるような気がするな。
わざわざ改めて夏油に負けを思い出させなくてもいいのに。
まあ彼女はそれだけ正直者なんでしょうが。
夏油の背中を押したのは九十九
とはいえ、全人類から呪力をなくすためのモデルケースとなった伏黒父には研究を断られていたようで、しかも彼は死亡。
なので九十九が今考えていたのは、もう一つのパターンである、全人類を呪力のコントロールが可能な状態にする事の方でした。
術師からは呪霊は生まれないとの事(術師本人が死後呪いに転ずるのは除いて)
なので全人類が術師になれば呪いは生まれなくなるというのが九十九の考え。
しかしそこで思い切り本音が飛び出してしまう夏油。
「じゃあ非術師を皆殺しにすればいいじゃないですか」
・・・言っちゃいました。
てかこんな考えを持っている術師がいたらヤバいですよね。
しかし九十九はそんな夏油から漏れてしまった本音に対して、
「それはアリだ」と口にします。
それが一番簡単なやり方で、非術師を減らして術師に適応してもらう環境を作る。
恐怖や危機感を使って非術師には進化を促していく。
とはいえ、彼女自身にそこまでやるつもりはない様子。
しかしこの時点での夏油はすでに弱りきった状態。
過去編の1話目辺りでは五条に対して術師の力の在り方みたいな事を、思い切り正論として述べていましたが、その考えが思い切り揺らいでいました。
弱者故の尊さと醜さ
非術師を見下す自分と否定する自分
結局このまま自分が苦しい思いを抱えたまま戦い続けた所で、ゴールが存在しているようには思えないんですよね。
もしも明確なゴールがどれだけ遠くてもあるのであれば、きっと夏油は頑張れたんでしょう。
しかし、九十九が言う所の対症療法ではゴールは見えないんですよね。
とはいえ五条のような圧倒的な才能によるものではなく、恐らく五条に何とか追いつこうと辛い思いをしながら頑張って特級に辿り着いた夏油でさえこう感じてしまうのは本当に辛いはずです。
特級になったと言っても、それでも五条との間にはそれこそ無限に近い距離があるのでしょうから。
てか、この状況は色々な考えが重なりすぎていて、本当にタイミングが悪いです。
そしてこの先も。
星漿体と天元様
これからは特級同士、3人仲良くしよう。
そんな事を言って去っていこうとした九十九さん。
しかし去り際に余計な事を口にしていきます。
「星漿体のことは気にしなくていい」と。
九十九によれば天内が死んだその時、もう一人の星漿体がいたのか、既に新しい星漿体が生まれたのか、そのどちらかによって、天元様は安定しているのだと。
「・・・・でしょうね」とだけ答えた夏油。
彼からすればそんな事は分かっていても聞きたくなかったでしょう。
自分達が命をかけて戦い、守れず、失敗した。
しかしそれら全てが特に意味がなかったと言っているようなものですから。
夏油にとってはそれがなければ間違いなくこんなに苦しい思いはしていない訳で、正直な所逆に天元様に何か起きて欲しかったくらいでしょう。
結局九十九は夏油に精神的なダメージを与えながらも、夏油に逃げ道を与えて、それでいて少しだけ背中を押していったような感じとなりました。
夏油の心の中にある葛藤を本音にするのかは、これから夏油自身が選択する。
この考えは自由を与えられたようでありながらも、むしろその道へ進むように誘導した感じですからね。
彼女がどういう考えを持ってここにやってきたのかがかなり謎です。
もしかすると自分の目的のために夏油を利用しようとしていたという可能性すらある気がします。
とはいえ東堂という全く方向性の違う呪術師も育てたみたいですし、只の悪役とも思えませんが。
灰原死亡と七海の絶望
そしてここまで徐々に徐々に緩やかに堕ちていった夏油。
しかしかなり決定的なダメージを与えたのが、夏油を慕っていた灰原の死。
灰原は七海と共に二級呪霊の討伐に向かっていましたが、その呪霊はまさかの土地神。
1級でもなければ対応出来ないレベルだったようで、七海はなんとか生き残ったもののボロボロに。
目も押さえているので恐らくこの時何らかのダメージを負ってしまったのでしょう。
そして灰原の死体は回収したものの、恐らく上半身のみ。
下半身はその土地神にでも喰われてしまったのかもしれません。
この事件は七海にはもちろん夏油にも大きな影響を与えました。
七海と灰原は天内の事件の際にセットで行動していましたし、きっとずっとバディを組んでいたのでしょう。
イメージでしかありませんが、明るく前向きな灰原に七海は面倒くささを感じながらも救われていたりもしたんじゃないでしょうか。
虎杖と伏黒みたいな関係で。
そんな苦しい状況で、思わず七海も胸の内にある思いを吐露してしまいます。
「あの人1人で良くないですか?」
ここでのあの人とは、彼らの任務を引き継いだ五条の事。
この発言は絶対に大人になった七海からは出ない言葉でしょう。
この言葉には本当に色々な意味が込められているような気がします。
五条なら一人で任務を問題なくこなせるのであれば、全部五条がやればいい。
そうすれば灰原が死ぬ必要はなかった。
でもそれは自分達の無力さを認める事でもある。
同時に呪術師としては無責任すぎる考えでもあり、五条に全てをなすりつけるという事でもある。
それは分かっていても、こうでも言わなければ自分が押しつぶされてしまいそうになる。
多分七海自身も後から考えればめちゃめちゃ後悔するような言葉でもあるはず。
しかし彼のこの言葉はそのまま夏油にもダイレクトで響いたのでしょう。
悪人かもしれない自分を慕ってくれていた灰原。
自分とは違って間違いなく良い人間だったはず。
そんな灰原が術師を続けていた事で死んでしまった。
明確なゴールを見つけられずにいた夏油にとって、彼の死は最悪のゴールを思い描かせるのに十分だったのでしょう。
非術師が生み出した呪霊を、呪霊を生み出さない術師が命をかけて倒さなければならない世の中。
術師とは非術師の為に死んでいく未来しかないのではないか・・・。
そんな風に考えてしまっても仕方ないのかもしれませんよね。
菜々子と美々子
そしてそんな中で一人田舎の小さな閉ざされた村へと任務でやってきた夏油。
そこで夏油が見たのは呪霊の原因を小さな少女達に背負わせて監禁していた汚い大人達の姿。
その少女達は0巻で夏油の仲間となっていた菜々子と美々子。
術師としての力を持っていた彼女達を、大人達は全力で迫害しまくっていたのです。
地図にも載っていないようなクソ田舎の閉ざされた小さな世界。
独自のルールが作られ、化物扱いされていた彼女達には人権なんて存在すらしなかったのでしょう。
大人達は夏油が原因を取り除いた後になっても、彼女達が原因だと1ミリも疑わず、それどころか子供の内に殺しておけばよかったと叫ぶ程のレベル。
二人の親もそうだったと言ってますし、きっとこいつらやっちゃってますよね、きっと。
吐き気を催すレベルの外道なのは間違いないです。
まあそれが当たり前の世界で生きていたんでしょうけれど。
そんな腐りきった大人達を言葉を、もう夏油は人間の言葉として捉えていませんでした。
夏油はそんな彼女達を安心させるように小さな呪霊で「大丈夫」と言わせると、心の中にあった本音を選択することになります。
夏油による大虐殺
九十九との会話の中でふと漏れてしまった自分の本音の言葉。
「非術師を皆殺しにすればいい」
その考えを本音とするかのように、夏油は呪霊操術によってこの閉ざされた世界の住人達を皆殺しにします。
その数は112人という事で、これが0巻でも語られていた百を超える一般人の呪殺ということです。
菜々子と美々子を救うという大義名分はありながらも、流石にやり過ぎだと思われます。
しかし、村全体が彼女達を迫害していたのは間違いありませんし、夏油からすれば全員が等しく「猿共」だったのでしょう。
そしてこの事件を起こした夏油は逃走。
呪詛師として処刑対象となっていくのでした。
夏油は結局闇に堕ちたというよりも、もっとシンプルに自分が守るべきものを選んだのでしょう。
汚い非術師を守るのではなく、信頼すべき術師を守るべきだと。
九十九の思い描くやり方が出来れば、これ以上術師が被害に遭う事もない。
そしてそうなればきっと一人で限界まで戦っている五条の事さえも救える・・・なんて考えていたのかもしれませんね。
まとめ
という事で、遂に夏油が高専から追われるようになった事件を起こす所までやってきてしまいました。
正直読者としては、普通に夏油がかわいそうで、むしろ彼のやった事が間違いとは言い切れないとさえ思ってしまうのではないでしょうか。
これによって夏油は0巻へとつながっていくのですね。
とはいえこんな事態になった以上、五条も当然夏油を追う事になるでしょう。
きっと五条なら夏油を見つけてしまいそうですし、そこで最後のお別れが描かれるのかもしれません。
自分が夏油から離れた事も夏油の暴走の原因の一つだと五条も気付くでしょう。
だからこそ、五条には夏油を裁けないのではないでしょうか。
展開的にもおそらく次回で過去編も終わりそうな気がします。
過去編の最後は五条がやり方を変える所まででしょうか。
一人の力では限界があって、強い仲間を集めていく事が本当に大切な事なんだと気付くのだと思います。
五条が先生になったのはこんな事があったからなんでしょうね。
とりあえず次回どんな展開を迎えていくのか楽しみです。
悲しい最後である事は分かりきっているんですけどね・・・。
今回はここまで。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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