アンデッドアンラックの8話が凄まじい完成度だった件
- 2020.03.13
- アンデッドアンラック
- 8話, アンデッドアンラック, ネタバレ, 感想, 最新話

「アンデッドアンラック」最新話8話ネタバレ感想
週刊少年ジャンプでちょっと前に連載が開始された
「アンデッドアンラック」
個人的には新連載陣の中でも圧倒的に漫画としての完成度が凄まじいと思っています。
ってかジャンプ全体の中でも相当上位じゃないかと思うくらいに8話までの完成度は凄いです。
4話までの時点で相当面白いと思っていたのですが、最新話の8話がとんでもなく素晴らしい回となっていて、相当驚かされました。
正直初連載だというのが信じられないレベルです・・・。
ジャンプのシステム的にもこういう展開は理想的なんじゃないかなぁ・・
という事で今回はまさに神回だった8話について語ってみたいと思います。
アンデッドアンラック最新話8話「変わる私は好きですか?」
8話までのあらすじ
不運の能力を持った風子と不死の能力を持ったアンディ。
2人は何かを否定するという特別な能力を持つ者達の組織であるユニオンへ入る事を決めました。
しかしユニオンには空きが1つしかない状況(1つは既に奪っている状態)
もう一つの席を奪う為にアンディがかつて自分を捕まえたジーナと40年ぶりに再会して戦う事に。
不変の能力を持つジーナに苦戦したものの、アンディは自らの不死の能力と風子の持つ不運の能力のコンビネーションによってジーナの持つ不変の能力を突破するのでした。
ジーナの生死について
前回の7話の時点でジーナの不変の能力を使ったバリアは既に突破済み。
なので今回勝利する事は分かっていました。
しかし今回の本題はそこではないのです!!
もちろん勝利する為の流れというのも中々お見事だったんです。
不変の力を使ったバリアを、風子のどんな不運の力で倒すのか?
この部分も、空気は光を通すという中々思いつかない攻略法を見せてくれたりと、能力バトルとしても非常に面白いんです。
が、やはり本題は倒したその後の事なのです。
正直、ここまでジーナというキャラクターが非常にキャラが立っていた事もあり、何よりアンディの事が大好きだという事で、もしかするとトドメは刺さないんじゃないかとも思っていました。
初期の頃の強敵って結構仲間になりがちだったりしますから。
ですが、この作品はキッチリ容赦なくジーナを殺してくれました。
これは結構勇気のある決断だった気がします。
アンディはまだしも風子に人を殺させたという重荷を背負わせるのは結構キツイ所もあるでしょうからね。
とはいえ殺すという選択をした事が残酷でありながらも世界観にはマッチしているとも感じました。
むしろ殺さないという甘い選択をする事はアンディと風子の根底の部分を揺らがしてしまう気もしたんですよね。
なのできっとこれが最善なんだろうなとも思いました。
ジーナの最後の想い
不運によるレーザーで瀕死になったジーナ。
アンディは容赦なく
「楽しかったぜジーナ。またな」
という台詞を残してトドメを刺そうをします。
それは風子の必死の叫びによって止められますが、アンディがトドメを刺さなくても既に長くはない状態。
風子によって少しだけ死ぬまでの猶予が出来たジーナは、最後に自分の本音を語ります。
- 本当は自分も変わりたかった事。
- しかし組織に為すがまま入って為すがまま働いた事。
- 沢山捕らえて、沢山殺した事。
- しかしそれでは世界も自分も変わる事はなかった事。
「きっといつかまたルールが増えて、世界は大きく変わってしまう」
この台詞は結構意味深ですよね。
「また」と言っているという事は、以前にもルールが変わった事で世界が変わった事があったという事なのだと思いますし。
ちなみにこの場面、夜空に月だけが綺麗に浮かんでいます。
どうやら「アンデッドアンラック」の世界では宇宙には月と太陽しかないようで、その辺りもジーナの言葉と関係があるのかもしれません。
不変の能力は自分に対してではなく、自分以外のものに能力を付与する他対象の能力。
しかしそうであっても、自分は変わる事が出来なかったジーナ。
そんなジーナが最後に
「変わるのも・・・悪くないかもね・・」
そんな風に口にしたのは凄く素敵な演出だったと思います。
アンディとジーナの最高に美しいお別れ
50年前にアンディの事を捕まえたジーナ。
ジーナはその中でアンディの事を好きになってしまっていました。
今回の扉絵では、牢屋の中にいるアンディが自らの血でジーナの誕生日を祝うメッセージを書くという場面が描かれていました。
つまりアンディもジーナの事を憎からず思っていたんですよね。
しかしそんなジーナは実際には既に66歳。
若作りして女子高生くらいにしか見えなくても、それはアンチエイジングの効果によるもの。
もうすぐ最後の時を迎えるというジーナは段々と本当の姿へと戻っていきます。
「醜い姿を見られたくないの・・・」
そんな風に語るジーナにアンディ遠慮せずに近づいていきます。
そしてそのまま有無を言わさず抱き寄せてキスをするアンディ。
「やめて・・・この姿じゃ・・・」
女性らしい言葉でアンディを拒むジーナですが、アンディは最高に格好良すぎる言葉をジーナに残します。
「バカが。シワの数でお前の魅力は変わらない」と。
そして再びキスをした所でジーナは力尽きるのでした。
そんなジーナを見守るアンディの表情がどうしようもなく寂しそうなのが泣かせてくれます。
これまでもイケメンな台詞を数々残してきていたアンディ。
風子にも「テメーがババアになってても口説き倒して抱いてやるよ」という信じられないくらいに格好良い台詞を残していました。
しかし今回、その言葉が本当で本気だった事がはっきりとした事で、更にアンディの株が爆上がりしましたね。
基本的にはほぼ全裸の男がこんな格好良いというギャップも凄まじい気がします。
戦う理由を見つけた風子
ジーナの死を看取って大号泣する風子。
しかしその一方で、アンディはジーナが死にたがっている事を知っていました。
組織の任務で自らが生きる為に誰かを殺す事はやはり辛い事。
いっそ死んでしまえばとまで思いつめていた彼女に、牢屋の中のアンディは言っていました。
「そんなに死にてーなら俺が外に出たら真っ先に殺してやるよ」と。
冗談ではあったものの、その言葉を嬉しそうに聞いていたジーナ。
「ホント!?約束だよ!!」
そう言ったジーナはきっと本気だったはずで、40年も待たせたものの一応その約束も果たした事になりますね。
・・・まあそうなるとアンディの40年間が気になってきますけども。
風子の不運は結果的にはジーナを殺す事になった。
しかしその風子の不運でこそジーナは救われたのかもしれない。
風子はジーナが死んだ事で考えていました。
「変えらんないのかな?ジーナさんみたいに苦しむ人が出ないように・・私達で・・組織を・・・!!」
当初は組織に入らないと狙われ続けて殺されるから、どうせなら組織に入ればいい。
そんな風に思っていた風子ですが、ここへ来てようやく自分の意志が生まれてきました。
そしてこれが当面の物語の目標という感じになるのだと思います。
最大の目的が「2人が最高の死を見つけるお話」で、その為に「組織を変える」という感じでしょう。
ジーナとの決着から新たな目的まで決めるという非常にスピード感がありつつも、全く出し惜しみしていない感じが素晴らしいです。
が、これだけで終わらないのが驚きです。
今回の8話は増ページとなっていて、それを最大限に活かした構成になってますよね。
圧倒的スピード感で敵陣へ
ジーナに向けて献杯しようとしていた2人。
アンディはじき組織から迎えにくるはずだと考えていましたが、組織は仕事が早いようで献杯すらさせない勢いで迎えに来てくれました。
しかもまさかの空間を突き破って化け物っぽい奴が迎えに来るという非常に恐ろしい方法で。
まあ2話目でも否定者達が空間にヒビを入れてのワープを使っていたので、否定者の誰かの能力の化け物をワープさせて無理矢理連れてきたという感じなのかな。
一瞬でワープしたその先にあったのは円卓
そしてそこに座る8人の否定者達。
このまま着地して終了・・・でも良さそうでしたが、アンディは挨拶代わりと部位弾(パーツバレット)によって全員の命を躊躇せずに狙っていきます。
が、当然ながらここに座っている以上、彼らは化け物揃い。
全員が軽々と飛んできたアンディの指に対応してしまいます。
そして何事もなかったかのように、新たな組織の一員となった2人を迎えるリーダーらしき存在。
一方で着地したアンディと風子。
ようやくそこで持ってきてしまっていたグラスを合わせます。
「いいね、最高だ!!」と。
このとんでもないスピード感のある展開でありながらも、こんなにオシャレな演出ってマジで凄いですよね!!
正直8人の否定者達はそんなに魅力的な感じでもないんですが、そういうのを感じさせない位に素晴らしい展開でした。
アンデッドアンラック8話感想まとめ
と、ここまで絶賛してきた「アンデッドアンラック」
正直絵は何となくちょっと古い感じはあります。
そして能力の部分も「不変」の能力なんかはイマイチピンと来ない部分もない訳ではありません。
風子の不運の能力の部分も強引と言われれば強引ではありますし。
が、そんな所が気にならないくらいに圧倒的なスピード感。
そしてキャラクターの完成度の高さや台詞周りや演出の素晴らしさ。
その辺りがあまりにも素晴らしくて、非常に読ませる力が高いと思います。
最初の8話だけで見れば、ここまで勢いを感じさせる作品はしばらくジャンプではなかったんじゃないでしょうか。
とはいえやはりまだ8話。
ここまでは完璧と言える展開でしたが、ここからどう物語を展開していくかが勝負だと思います。
個人的には安心して読める作品だとは思いますが、先がどうなるかは誰にもわかりませんからね!
とりあえず絶賛応援していきたいです!!!
今回はここまで。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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