タイムパラドクスゴーストライターについて!手の平を返す準備は出来ているけど流石に厳しいぞ!?(5話目までの感想)
- 2020.06.19
- 漫画
- ジャンプ, タイムパラドクスゴーストライター, ネタバレ, 感想

最近のジャンプ新連載について
中堅どころが次々と最終回を迎えて若干心配されたりもしている最近の「週刊少年ジャンプ」
とはいえまだまだ面白い作品は多いですよね。
個人的には「ワンピース」、「呪術廻戦」、「チェンソーマン」、「アンデッドアンラック」を特に楽しんでおります。
新連載もどんどんスタートしていますが、良くも悪くも話題になっているのが「タイムパラドクスゴーストライター」
連載開始前から意味深なタイトルなんかもあって注目されていたように思えます。
が、実際に連載開始となるとその内容からかなり賛否が分かれてしまっています。
というか、実際の所かなり否定の意見の方が大きい気がします。
かく言う自分も5話目の段階では完全に受け入れられない感じです。
ジャンルも定まっていない事もあってこの時点で評価を下すことは出来ない訳ですが、現時点では問題点があまりにも多すぎるというか。
5話目の時点で「サムライ8」の中盤の時に感じていた不快感を感じているというのは相当ヤバすぎますよね。
どうしても気になってしまう部分をまとめてみたいと思います。
タイムパラドクスゴーストライターの気になる所
正直今のままでは面白いとか面白くないとかではなくひたすら読んでいてキツイという印象です。
そう感じてしまうくらいに不快感が強いというか、これで本当に良いのかと思わせるような展開なんですよね。
なので現在まで(5話時点)の問題点を考えて行きたいと思います。
タイムパラドクスゴーストライターとは??
「タイムパラドクスゴーストライター」の物語をざっくり言えばこんな感じ。
週刊少年ジャンプでの連載を目指す主人公の佐々木。
しかし才能もなくどれだけ努力しても上手くいかず、年齢的にもそろそろ夢を諦めなければならない所まで追い詰められてしまっていました。
そんな佐々木の家に落雷と共に現れたのが10年後の未来からの週刊少年ジャンプ。
佐々木はそのジャンプに掲載されていた新連載の「ホワイトナイト」という作品を読んで、その内容の素晴らしさに衝撃を受けます。
あまりの衝撃でもう一度読もうと思ったものの何故か未来からのジャンプは見つからず、佐々木はそれを夢か幻覚だと思いこんでしまいました。
しかし夢や幻覚だったとしても「ホワイトナイト」の面白さは間違いないものであり、佐々木はその素晴らしい作品を自分で形に残す事に。
そして佐々木が未来からのジャンプのおかげで描きあげた佐々木版の「ホワイトナイト」は編集部でも絶賛の嵐。
会議を通す事さえなく読切の掲載が決まり、佐々木は遂にジャンプでデビューする事に。
しかし佐々木はしばらく家に帰っておらず、自宅には毎週未来からのジャンプが転送されていた事を知りませんでした。
一方でその読切を読んで疑問に思っていたのが、10年後に「ホワイトナイト」を連載していたはずの少女。
その少女は既に「ホワイトナイト」の構想を始めていたのでした。
どうしてもシュタゲを思わせる設定
未来から何かが送られてくるというのはSFなんかだと割とよくある形ではあります。
しかし送られてくるのがジャンプという情報媒体だけというのは珍しいかもしれませんね。
が、未来からのジャンプが送られてくる場所が、佐々木の家の電子レンジだという所が第一の問題点。
「未来から」、そして「電子レンジ」という二つのワードを聞けば、ゲーム好きな人はどうしたって「シュタインズゲート」を思い出してしまいますよね。
それだけに、何故わざわざ電子レンジにジャンプが届くという設定にしてしまったのかは非常に疑問です。
家にジャンプが突然届くとして、確かに電子レンジは丁度良いアイテムではあると思います。
ジャンプがぴったり入りそうなイメージもありますし、温まった時の「チーン」という音もイメージしやすいですからね。
とはいえだからこそ外して欲しい所ではありました。
別に雷と共に現れても良いですし、他にやりようがなかったという訳でもないはずですし。
超常現象である事は間違いないのだから、正直なんとでもなる部分でしょうからね。
友人から謎の人形を渡されたりしていたんだし、そっちと絡めたりした方が良かった気がします。
ヤバさを決定づけた3話目
1話目で読切が掲載になった佐々木。
遂に漫画家として花が開いたという感じでしたが、2話目で未来からのジャンプが夢でも幻でもないという事を知る事に。
読者視点では1話目の時点で気づけていましたが、佐々木も2話目で盗作してしまったという事実に気づいた訳ですね。
自分がとんでもないことをやらかしたと気づいた佐々木は、電子レンジを破壊して「ホワイトナイト」の連載も諦めようとします。
が、担当編集からの熱い言葉と、「ホワイトナイト」を読んだ人達からの沢山のファンレターによって連載を目指すのを辞めるに辞められない事になってしまいます。
なんだかんだ自分の中で勝手に覚悟を決めて「ホワイトナイト」を自分の手で世に送り出す事に決めた佐々木。
しかしそんなタイミングで佐々木の前に姿を現したのが「ホワイトナイト」の本当の作者である藍野伊月。
3話目ではそんな彼女との出会いの部分が描かれたのですが、この回が最高にアウトだったように思えます。
物語を大きく動かすはずの回となるチャンスだったはずが、最高にダメにしてしまったという印象でした。
普通であれば、藍野に盗作の件がバレるような流れを想像しますよね。
そしてその上で今後藍野とどういう関係になっていくのかがある程度決まったり、連載をどうしていくのかが決まったり・・・みたいな。
が、実際には盗作がバレるどころか、藍野は自分が考えていたのと全く同じ物語を佐々木が描いたという事で納得してしまいます。
それだけでも都合が良すぎるというのに、藍野は佐々木をプロとして認めライバル視してしまうというまさかの展開。
これはちょっと酷すぎるというか、物語の方向性がさっぱりわからなくなってしまいました。
普通はこの二人の関係を微妙なままにして進んでいくとか、敵対したまま進んでいくとか、どちらかといえばその方が良さそうに思えますし。
この時点で一番重要なキャラクターを敵どころかライバルにしてしまったら、もう誰も「ホワイトナイト」を盗作だと疑う人もいなくなってしまいますからね。
正直なんでこんな展開にしてしまったのかがさっぱりわかりません・・。
更にヤバさを増す4話目
3話目の時点で佐々木にとっての障害があっさりとなくなり、問題になりそうなのは佐々木の自分本位な責任感くらい。
しかしそこで更におかしな展開となってしまいます。
4話目では本格的に「ホワイトナイト」が連載される事となり、その為にアシスタントが登場して来ることに。
が、何故かそのアシスタントの中に、本来の作者である藍野も含まれてしまっていました。
3話目でかなりアホだという事が明らかになっていた藍野ですが、平然と自分も「ホワイトナイト」を描いていたなどと発言したりとかなりヤバい奴。
しかも女子高生だった彼女は学校を辞めて上京してまでアシスタントをする事を決めていました。
・・・・この辺の設定っているんでしょうか??
藍野はこの時点ではかなりアホではありますが、本来であれば10年後に「ホワイトナイト」という大傑作漫画を連載していたはずの天才。
そんな彼女が盗作され、自分の作り上げて来た無数の設定を奪われ、勘違いが原因ながらも自分の作品を奪った相手のアシスタントをする事になる。
しかもその時点で可哀想だというのに、高校まで辞める事になってしまうというのは、色々と酷すぎる設定ですよね。
だというのにも関わらず、佐々木は驚きはしても自分の責任だとはさほど考えてもいません。
佐々木を良いやつっぽく描いてはいるものの、こういう部分が完全にズレまくっているのがなんだか読んでいて不快感を感じさせる部分なのかも。
そして佐々木はお得意の自己完結によって、藍野に真相を明かしても結局は無意味に傷つけるだけだと判断。
だからこそ自分は本物に近い「ホワイトナイト」を届ける責任があるのだと考え始めます。
しかしそれによってアシスタントには迷惑をかけ、〆切も近くなり、それでも結局は納得出来ず。
皆が絶賛しているというのに、藍野の表情から勝手に駄目だと判断(コメントは絶賛しているというのに)して原稿を破り捨ててしまいます。
この辺りのくだりも正直かなり最悪ですよね。
ってか1話目の前半部分での漫画家についての部分はリアリティがあった気がしますが、この辺りになってくると適当というか結構酷い事になっている気がします。
散々皆に迷惑をかけたというのに、謎の女子高生に意見を求め、絶賛しているのにも関わらず勝手に駄目だと判断して皆の前で原稿を破り捨てる。
少なくとも自分がアシスタントだったらこんな作者は嫌ですよね。
この先生なんで女子高生に意見を求めてんの??
って思ってしまう所ですが、何故かこの作品の他のキャラは全くそんな事気にしないんですよね・・。
後戻り出来なくなってきた5話目
皆の前で女子高生に詰め寄って「藍野さんの感性を信じてる」と語る佐々木。
そんな佐々木の中にあったのは藍野が描くはずだった物語を描き始めてしまった責任。
・・・・ん?責任???
いやいや、現在進行系で目の前の女子高生の夢や希望を奪っておいて、しかもその本人にチェックを求めておいて、それでいて責任ってどの口が言ってるんでしょうか??
責任を感じてるならば全てを明らかにするのが一番。
明らかに出来ないのであれば藍野とは関わらずにどうにかするのが普通でしょう。
それなのにアシスタントとして使ってしかもチェックまでさせておいて責任って・・・。
なんだかんだで〆切まで本気で時間がなくなってきたものの、結局はもう一度描き直す事になった佐々木。
しかしここで本当に決定的にやってはいけない事をやってしまいます。
それが本物をコピーしてトレース(写して描く事)するという最終手段。
もはや漫画家でもないんじゃないかと思うようなヤバい行動を、相変わらず心の中で言い訳しながらやってしまいます。
俺の気持ちなんてどうでもいい
大事なのは読者に少しでも近い「ホワイトナイト」を・・
俺の気持ちなんてどうでもいいのであれば、お前の責任感もどうでもいいのでは??
作品第一だというのであれば藍野に返す事が一番良い形ですし、結局佐々木は自分が傷つかない形でしか行動をしていません。
それでいてヒロイックな感じで自分は頑張っているのだとアピールばかり。
結局トレースしても再現出来ない部分も多く、何よりもキャラに魂がこもっていないと判断して駄目だという結論を出す佐々木。
なんやかんや言ってますが、トレースするのが一番良いのは間違いないのでは??
そもそも漫画家として成功していない佐々木が何故キャラに魂がこもっていないと判断出来るんでしょうか??
担当だった菊瀬にはキャラクターに関してめちゃめちゃダメ出しを食らってましたからね。
人の作品を盗作して読切を掲載出来たら一気にレベルアップでもしたのでしょうか??
そんな感じでとにかく問題しかない展開でしたが、そんな佐々木に対して甘々過ぎる展開はまだまだ続きます。
深夜の3時に何故か突然作業部屋にやって来た藍野。
一言謎のメッセージを残して(佐々木先生は鳥です!!というちょっとヤバい奴)去ろうとします。
しかも特に急いでいる感じでもなければ、どうしても伝えようという感じでもなく、なんでこの時間にやって来たのか意味不明です。
まあこの日の朝までに佐々木が何かを掴めなければならない状態だったからと言えばそれまでなのですが、こういう部分もリアリティがないというか、ギリギリの所で佐々木が救われる演出をする為の物語の都合上の展開でしかないんですよね。
そして結局藍野からは色々と助言を貰う事に。
それがまた佐々木に対して甘々の言葉となっています。
私の中に答えなんかありませんよ
だって佐々木先生の「ホワイトナイト」なんですから
佐々木先生が命懸けで「ホワイトナイト」に向き合ってるのを見て我に返りました
「ホワイトナイト」は佐々木先生のものなんだって
佐々木先生は佐々木先生の「ホワイトナイト」を自由に描いて下さい!
きっと読切の時みたいな佐々木先生らしい「ホワイトナイト」が描けますよ!
うーん、ここまで言われればもう何を気にする必要もありませんね。
佐々木が悪い事は何も変わってませんし、そもそも佐々木は藍野の作品を盗作した上にトレースまでした男。
だというのにむしろ藍野の方が悪いと感じているような謎展開。
これはもう都合が良すぎる展開としか言いようがありませんよね。
そして結局藍野の言葉で吹っ切れた佐々木。
10年後の「ホワイトナイト」を模倣ではなく、自分の絵で、自分ならいの「ホワイトナイト」を描く事を決めます。
うーん、あっと言う間に作品ファーストでさえなくなってしまいました。
本物の作者からOKが出たから好き勝手描いてみました・・・って感じでしかありませんね。
そして佐々木なりの絵で描いた原稿に対する皆の反応は当然のように大絶賛。
絵柄を変えた事もやたらと褒められますし、皆感受性がイカれているのか何故か泣いていたりと、正直気持ち悪いくらいですよね。
絵を変えた事で少しはダメ出しされる部分があったっていいような気がします。
絵柄はちょっと微妙だけどその代わりに勢いがあるとか、そのくらいの評価のされ方で充分なのでは??
しかもこれだけ絶賛されているというのに、その違いが何も説明されていないんですよね。
丸々2話分かけたエピソードだというのに、元がどういう絵だったのかも分からず、どういう絵に仕上がったのかもわからず。
漫画なんだからそういう部分こそ漫画で見せて欲しいんですよね。
もちろん大絶賛されている作中作の絵を描くというのは非常にハードルが高いとは思います。
しかしそういうテーマを扱っている作品なんだから、その部分を見せずに登場人物達だけで盛り上がっていても、正直読者としては冷めてしまいますよね。
佐々木が一応謝ったとはいえ、担当も特に最後まで佐々木に厳しい言葉を残す事もなく。
アシスタント達は確実に大変だったはずなのに、良い原稿になったからOKというスタンス。
この状況に一番怒らないといけない藍野が既にそういうポジションから外れているんだから、攻めて何か厳しい一言を残すキャラがいないと駄目だと思うんですよね。
「こういうギリギリなのは今回だけだよ!?」
とかそのくらいは言っておいたほうがまだマシなんじゃないだろうか?
タイムパラドクスゴーストライター感想まとめ
という事で、個人的には主人公の佐々木をどうしても受け入れられずに読んでいます。
5話目で「ホワイトナイト」の1話目は良い感じに進んでいましたが、相変わらず物語の方向性が全く見えませんし。
「バクマン」のように漫画家の物語が中心なのか、それともSF要素が強めになってくるのか、はたまたサスペンス要素とかを出していくのか??
この辺りもはっきりしていませんし、どういう目線で読んだら良いのかも分からず、物語に入り込めないんですよね。
佐々木の頑張ってるアピール(漫画内の話ではなく、読者に対して佐々木に頑張っているのだと思ってもらいたいアピール)がキツイ気もするんです。
10日間ずっとシャワーも浴びずにただひたすら机に向かっているみたいな描写になってますし。
これだけ頑張っているんだから盗作の事は許してね・・・って言われているようでもあって非常に気持ち悪いです。
ってか完全に藍野が佐々木を許してしまった事で(本人は何も気づいてませんが)この先どうやっても駄目なような気がしちゃうんですよね。
・・・とはいえ!!
何か驚きがあるのだとすればこの後である事は間違いありません。
例えば次回、「タイムパラドクスゴーストライター」が掲載されているページが丸々「ホワイトナイト」の1話のダイジェスト版になっているとか
未来からのジャンプが突然来なくなって佐々木絶望とか
心を掴んだはずの藍野が未来ジャンプを発見して、今度は本気でGペンで佐々木を殺しに来るとか
未来ジャンプ以外のものが電子レンジに届く(人の生首とかでサスペンス展開の始まり)とか
10年後に佐々木か藍野が死んでいる事が発覚したりとか
・・・・・これだけ書いておけばどれか当たるんじゃないだろうか・・・
このくらいの感じだったら手のひらを返して絶賛しちゃいますよね。
「その為に佐々木のヘイトと溜めていたのか・・・!」みたいな事を思わせて欲しいですわ。
が、特にひねりもない展開だったらそろそろ無理ですね。
どの方向に物語を展開させていくのか注目です。
良くも悪くも次回の6話目が今後を決定づけるんじゃないだろうか。
今回はここまで
最後までお読み頂きありがとうございました!
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