ファイアパンチを最終回まで読んで思う事 最期はやっぱり映画館に行きたい!

ファイアパンチを最終回まで読んで思う事 最期はやっぱり映画館に行きたい!

ジャンププラスで毎日1話無料で読めるようになっていた

 

「ファイアパンチ」

 

が遂に最終回まで読めるようになりました。

 

自分は結局途中で先が気になりすぎて他のアプリを使って最後まで読んでいたのですが、やっぱり最後までとんでもない作品でしたよね

単純にハッピーエンドなんて言えるはずもなく、だからと言って単純なバッドエンドとも言えない

軽い気持ちで「面白かった」という感想を口にする事さえ正しいのかなぁと思ってしまうような、なんとも複雑でとにかく「凄い」作品なんじゃないかなぁと思います。

 

今回は「ファイアパンチ」の結末の部分と主人公であるアグニについて考えてみたいと思います。

 

ファイアパンチの結末とアグニについて

 

物語の始まりである1話目から非常に衝撃的だった「ファイアパンチ」

しかしその後も色々な意味で衝撃的な展開は続いていました。

 

作品のテーマは一応主人公アグニの「復讐劇」ではあるものの、途中からその方向性も変わっていってしまいます。

むしろアグニが復讐される側へと変わっていってしまった感じなのは辛かったですね。

 

しかしよく聞く「因果応報」とかそういうわかりやすい物語でもなく、家族の愛情なんかもしっかりと詰め込まれていて、色々な気持ちが揺らいでいく物語とも言えるでしょう。

とりあえずざっくりと物語を振り返ってみましょう。

 

ざっくり物語の振り返り

 

主人公のアグニと妹のルナの住む村が焼き払われる・・・というある意味では王道の展開からスタートした「ファイアパンチ」

地獄のような苦しみと共に炎に覆われたアグニ

1話目のラストではその炎に覆われた身体でタイトル通りの「ファイアパンチ」を放ち、気持ち良く敵を焼き尽くします。

 

この辺りは正に王道の「復讐劇」の始まりという感じで、しばらくはそういうテイストで進んでいきます。

が、そんな「復讐劇」はトガタが登場したことで全く違う方向へと進み始める事に。

 

トガタの映画の主演として、復讐者を演じる事になり、それでも仇を殺す事だけを考えるアグニ。

しかしトガタが色々な人を巻き込みまくったりしている間に、単なる復讐への気持ちだけではなく「この世界に負けたくない」という気持ちを取り戻します。

今思えばこの頃のアグニが一番まともだったと言えそう

 

そして結局復讐を果たせず、妹にそっくりな人物に心を惑わされたりアグニを神と呼ぶ人達に崇められたりとかなりフワフワした状態に。

そこでトガタの問題があって改めて自分の復讐をちゃんと終わらせようと決意するアグニ。

この辺りはかなりアグニが人間らしいですよね。

 

復讐すべき相手が家族を持っていて、一旦は復讐を止めようとしたものの、抑え込んでいた怒りが爆発して家族もろとも復讐相手を殺してしまったアグニ

そこでようやくアグニが自分がどれだけ沢山の人を殺してきたのかという事に気づき、自分は最初に妹と共に死んでいればよかったのだと考えます。

そして自ら死を選ぼうとするも、それをトガタに救われてトガタはそこで死んでしまう事に

 

物語はそこから更にとんでもない方向へと進んでいき、アグニの炎が一時的に消える事に。

そして偽りの妹を手に入れたり、アグニの仇の子供たちと家族になったりして、アグニはここから全く違う自分を演じ始める事に。

この辺りはもうアグニ自身が自分の頭がおかしくなった事を自覚していて、考え方も非常に揺らぎまくっていました。

 

家族の為に戦ったり、自分なんて死んだほうが良いのだと思って死のうとしたり。

それでいて家族の仇である「ファイアパンチ」つまり自分を殺すようにとお願いされたり

この辺りは読んでいても非常に辛い所でしたね。

 

妹じゃない奴が妹になっていて、自分が殺した仇の子供が何もわからず「ファイアパンチ」を殺せと言ってきたり、嘘と罪の意識に囚われてどうしようもなくなっていくアグニの姿には何とも言えない気持ちにさせられました。

 

しかしいつもアグニが本当の死を迎えようとすると、呪いのように誰かがアグニに「生きて」と声をかけるんですよね。

生きる事が正解とさえ思えない中で、それでもアグニは大切な人達の言葉によって生き続ける事に。

偽りの家族を得てアグニが10年もの時間を彼らと共に生きていき、一応の平和が訪れてはいたものの当然それだけでは終わらないんですよね。

 

63話以降の話の展開も非常に辛いものがあり、どうしてもこんな選択しかなかったんだろうかと思ってしまったり

 

衝撃のラストについて

 

平和な時間が終わり氷に覆われる世界を救う為に、妹(偽)を選ぶか世界を選ぶかの選択を迫られたアグニ。

しかし結局この時点ではアグニの頭の中にあるのは妹への思いだけ。

 

敵に襲撃されて妹を奪われ、家族からは「自分達家族がいるじゃない」と言われてもなお、結局は自分を止められないアグニ。

この辺りはアグニも複雑な気持ちにはなっていたのでしょうが、結局は家族ではなく偽りの妹を選んだんですよね。

 

そして妹を取り戻す為に動き出したアグニの前に立ち塞がったのが、アグニが一番最初に助けた少年であるサン。

サンは誰よりもアグニを神様だと信じていたものの、その想いが強すぎてヤバいことになっていました。

アグニと再会したものの、アグニの見た目が変わっていた事が許せないという事で、元々持っていた電気の祝福の力を使ってアグニと激闘を繰り広げる事に。

 

「顔が違ったら嫌だろ!!」というサンのバカっぽい台詞は非常に考えさせられるものでした。

それでいて良い感じに狂っていて、なんだか非常に物悲しい気持ちにもさせられるんですよね。

初期の頃はきっとこの子が成長して世界を照らすような存在になるのだと思っていたのに、まさかアグニがサンを殺す展開になっちゃうんですからね・・・・

 

そしてサンを倒し、ルナ(ユダ)の力でアグニは全ての記憶を失い、逆に全てを取り戻したルナ(ユダ)はこの世界を暖めるための木になっていく事に

それに対して何者でもなくなったアグニは、サンの事が好きだったネネトによって生かされていく事になります。

 

ネネトがアグニを自分の弟のサンとして生きさせた事だけをとっても色々と考えさせられますね

この辺りも非常に作品のテーマが込められていると思います。

 

物語は一気に80年後へと飛び、全てを知っている唯一の存在であるネネトも死んでしまう事に

ルナ(ユダ)が木になった事で世界は暖められたかに見えたものの、暖められたのは地球のごく一部だけであり他の場所では作物が育つ事もありません。

当然そんな状態だったら争いが起こるのも当然の事。

世界では旧世代の爆弾(核兵器?)を見つけた事で戦争が始まろうとしていました

 

要するにこの地球は何をやろうと無駄な状態であり、蘇らせる事なんて出来ない終わりゆく世界だったのです。

この辺りの残酷さがもうどうしようもなく酷いですよね。

ここまで色々な人物達がなんだかんだやっていたものの、結局それも無駄だったと思ってしまいますし。

 

そしてアグニは終わりゆく世界で人類最後の映画を見る事に。

それはもちろんトガタが撮り続けていたアグニの映像

ひたすら燃え続けながらも戦うその男が自分自身なのだとわからないものの、サンとなったアグニは思わずその映画を観て拳を握っていたのでした。

 

この場面は、やっぱり映画こそが胸を熱くさせるものなのだという、藤本タツキ先生からのメッセージなのかなぁと思ったり

 

物語はそこで更に数百年後へと進み、宇宙へと伸び続けていた巨大な木の内部にいたルナ(ユダ)の視点へと移っていきます。

自分の名前もアグニの名前も忘れてしまいながらも、アグニが幸福になる事だけを願い地球を暖め続けていたルナ

 

暇で暇で絶望してしまいそうになりながらも、薄れつつあるアグニの事を思い出しながらひたすら耐え続けます。

そして数千年が経過し、遂には根を張っていた地球そのものが隕石と衝突して粉々に

 

しかし暖め続けた地球がなくなっても終わらない永遠とも呼べる時間を過ごしていたルナ。

数万年が経ち、数千万年が経っても終わらない時間に思わず助けを求めたその時、一人の男がルナの前に現れます

 

その男はもちろんアグニ。

数千万年越しに出会った2人は、それぞれが自分の事を「サン」と「ルナ」だと自己紹介

お互いが自然と涙を流し合い、少しだけ話した後に眠りについた2人。

 

満たされたかのような2人が仲良く映画館へとやってきた所で「ファイアパンチ」の物語には幕が降ろされます

 

死にそうになったアグニが映画館に辿り着いた描写というのはこれまでにも何度か描かれていました。

その元となったのは34話でのトガタの台詞なんですよね。

 

「人は・・死んだらどこに行くんだ?」

 

そんなアグニの何気ない普通の質問に対するトガタの返事が「映画館」というものでした

人は死んだ瞬間映画館の中に立っていて自分の座る席を探す。

 

そんなトガタの言葉通り、最後に永遠に近い時間を生き続けていた2人が出会い、満足して死ねたからこそ映画館へと行けたのでしょう

この物語が始まった1話目の時点で、この作品のラストのページが映画館で終わると予想出来た人はいないでしょうね・・。

ラストの演出も非常に映画的で、正直良くわからないという気持ちはありながらもとにかく美しいものになったなぁと思います

 

結局ファイアパンチが言いたかった事とは?

 

という事で良く言えば様々な難しいテーマを内包していた作品だと言える「ファイアパンチ」

悪く言えば非常にごちゃごちゃしてさっぱり訳がわからないという印象もありましたね。

「ファイアパンチ」は最初のテーマである「復讐劇」からはかなり外れていた訳で、結局「ファイアパンチ」とはどういう物語だったのでしょうか。

 

・・・・まあ当然ながらそんな事がわかるはずもないのですが、重要になってくるワードは沢山あった気がします。

 

79話での「今度は貴方のなりたい貴方になって」

80話でのルナ(ユダ)の台詞「人はなりたい自分になってしまう」

 

この辺りの台詞は、演じる事を強いられたアグニに対する救いのようでもあり、呪いのようでもある気がしますよね。

なりたいものになって欲しいと願った結果、アグニは最終的にアグニという名前さえ無くし、サンという存在として最期を迎える訳ですから。

 

物語のラスボスのような存在になってしまったサンも、アグニへの理想と現実や「こうあって欲しい」という想いが暴走していた事によって悲しい最期を迎えたと言えます。

アグニにはこういう存在でいて欲しいと勝手に期待して、勝手に裏切られたような気持ちになる。

 

こういう事って現実の世界でもよくある事な気がしますよね。

芸能人がスキャンダルを起こして幻滅するとかに近いんじゃないだろうか。

 

トガタの隠していた性の問題も非常に難しい所ですし、サンがルナと自分の顔が似ている事を知った時に口にした「なんで俺じゃ・・・」という台詞も考えさせられます。

サンのアグニへの想いは憧れや信仰というものだけではなく、男女を超えた「愛」だったのか?

こういう部分も非常に複雑で簡単に何か言えるようなテーマではありませんよね。

 

結局物語を通してずっと妹であるルナを追いかけ続けたアグニ。

しかしルナは1話目で死んでいて、途中からは顔が似ているユダの事をルナだと思いこむようになってきます

 

この辺りもサンが76話で口にした「顔が違うだろ!!顔が違うのは・・嫌だろ!!」という問題発言と同じようなものでもありますよね。

顔が違えばアグニじゃない。

だったら顔が同じならルナなのか?

 

一旦は違う事を認めてユダを殺そうとしたものの、結局ユダが記憶を無くした所で妹として扱ってしまう。

この辺りもある意味では「なりたい自分」を演じていたとも言えますし、都合の良い展開を望んでしまう心の弱さを表しているようでもあるなぁと思ったり

 

「ファイアパンチ」の世界は結局の所終わりゆく世界の話だった訳で、最初から完全なハッピーエンドなんて存在していませんでした。

とはいえ、それでもアグニには救われる道が少しは存在していたはず。

 

偽りの妹を選ぶのではなく、10年を共に生きた家族達と生きる選択が出来ればどうだったんだろうか?

そんな事も考えてしまいますが、アグニがアグニである以上、ルナを選ばない選択はなかったんでしょうね。

 

正直な所、皆が必死に生きた結果でしかないんですよね、「ファイアパンチ」の物語って

誰が悪いのかと言えば、それは完全にアグニを炎に覆ったドマな訳です。

とはいえそのドマの力で何もかもを焼き尽くしたのはアグニですし、でもアグニはアグニで世界と戦っていたとも言える訳です

 

劇的な死もあって凄く良いキャラクターだったトガタも、自分の目的の為に好き放題やってましたし、悪党ばかりとも言えるんですよね。

まあ結局の所、この世界がどうしようもない状況だったからこそ酷い状況になってしまったんですけどね

 

 

  • 生きる為に演じる事
  • なりたい自分になってしまう事
  • 嘘によって救われる事もある事

 

本当に色々なテーマが込められていて、何が正しいなんて簡単には言えない作品

それが「ファイアパンチ」なんだろうなぁとしか言えませんね。

 

ファイアパンチの結末とアグニについてまとめ

 

夢中になって読んでいたのに、読み終わってこんなに素直に「面白かった」と言えない作品も珍しい気がしますね。

どちらかと言えば「なんか凄い漫画を読んでしまった!」という感じが強いんでしょう。

 

どう考えてもハッピーエンドとは言えませんし、そもそもハッピーエンドなんて用意すらされていなかった本作

その中で主人公のアグニが必死に苦しみながら戦い抜いた訳ですが、本当にこれで良かったのかとはどうしても思ってしまいますよね。

 

  • せめてもう少しくらいは皆が幸せになる展開はなかったのか?
  • トガタに映画を観させてあげたかった
  • スーリャにスターウォーズの新作を観させてあげたかった
  • アグニの幸せを願っていた家族達と一緒に暮らせなかったのか?
  • 本物のルナの言葉は呪いでしかなかったんじゃないか?

 

などなど本当に色々な事を考えさせられますし、こんな未来が見たかったと思ってしまいます。

現在週刊少年ジャンプで連載中の「チェンソーマン」よりも遥かにクセが強い作品ですし、読み手を選ぶ作品でもある気はしますが、読んだら確実に心に残る作品だろうなぁと思いました

 

確実に凄い作品ではあるのですが、

「チェンソーマン」はもう少しハッピーエンドになってくれることを願いたいですね!

 

今回はここまで。

 

最後までお読み頂きありがとうございました!

 

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