BURN THE WITCHはなぜ独自用語盛り沢山なのにこんなに面白くて読みやすいのか!?

BURN THE WITCHネタバレ考察!
久々にジャンプに久保帯人先生が戻ってきましたね!
「BLEACH」はなんだかんだ超名作だと思いますし、何よりも圧倒的なオリジナリティを感じる作品でした。
とにかくオシャレでセンスが爆発しまくっているというイメージで、後半は失速した感じだったものの素晴らしい作品である事には変わりありませんよね!
今回の「BURN THE WITCH」は全4話の短期集中連載。
以前読み切り版が発表されていましたが、その読み切り版の続編という感じの物語となっています。
単純に読切作品としても圧倒的に面白かったのですが、その中でまさか「BLEACH」の世界観と完全に繋がってきたのにはもう驚かされましたよね!!
そんな事もあってとにかく期待度が高かった状態で始まった第1話。
当然のように素晴らしく面白かった訳ですが、気になる事は沢山ありました。
作中ならではの独自の用語が特に説明もないまま沢山出てきたり、1話目としてはそこまで盛り上がる展開でもなかったり。
普通の新連載の1話目と考えたら結構やってはいけない事をやってしまっているようにも思います。
説明不足の感じなんかで言えば「サムライ8」に近いとさえ言えるのかも。
が、そうであるにも関わらず「BURN THE WITCH」はちゃんと面白いんですよね!
今回は何故独自のワードだらけでも面白くなっているのかという部分を考えてみたいと思います。
BURN THE WITCHが独自用語だらけでも面白い理由
かなりの数の本作ならではのワードが登場してきて、その割にはそこまで詳しい解説もされない。
物語としてもわかりやすい展開でもなければいきなり盛り上がった感じでもない。
しかしそれでもしっかりと面白いというのが、本作の本当に凄い所なのかなぁと思っています。
その理由をいくつかに分けて考えていきましょう!
独自の用語も何となくイメージ出来る強さ
まず本作に登場する独自のワードや、詳しくは解説されていなかった設定の部分をあげてみましょう。
- 魔力感応で角が咲いちゃう
- 蕾鹿竜と花
- 1等保護官や2等保護官
- 実績ポイント
- 戦術隊や笛吹き隊
- 黒化(ライフアウト)
- ドラゴンやダークドラゴン
- ドラゴン保険
- 表ロンドンとリバース・ロンドンの関係
などなど色々と軽く読んだだけではよくわからない事が多いです。
読み切り版だともう少しこの世界のドラゴンについて描かれていた感じでしたが、今回の1話目ではそこまで詳しく描かれていません。
なので結局の所この世界のドラゴンって何なんだろうとも思ってしまいそうですよね。
しかし実際の所、あんまり良くわかっていなくても読み進められるのもまた事実なんです。
こればっかりと比較するのもなんですが、「サムライ8」の1話目とかだと
結局最後まで謎の設定だった「義」
同じくよく分からん「パンドラの箱」
「7つの鍵」「小結級ホルダー」
「勇」「武士」「ロッカーボール」
「サイボーグ」「鍵」
などなど謎のワードが多いです。
「BURN THE WITCH」と同じく色々謎ですが、果たして何が違うのか?
ロッカーボールやらホルダーやらはちょっと謎ですが、その他の言葉は知っている言葉ですよね?
武士とか鍵とかサイボーグとか、言葉だけで聞けば別に違和感がないはず。
しかしこれらが不自然な会話の中で登場してくる事になり、しかもどうやらそれらの言葉の意味が、自分たちの知っている意味とは少し違うと思わせてくるんです。
中途半端に説明はするものの、それによって逆に意味不明になっていく・・みたいな。
だからこそ物凄く読みづらく、何を言ってるんだかわからないまま進んでしまっていた気がします。
一方の「BURN THE WITCH」ですが、こちらのワードは何となく想像が出来るんですよね。
「蕾鹿竜」というのは文字通り、鹿みたいな竜であり、魔力に対して反応する事で花が咲く不思議生物なんだろう。
でもまあきっとそんなに重要ではなさそうだし、説明されなければ読者にどうしても必要な情報ではないはずで、きとこの世界の雰囲気を感じさせる為の材料の一つなんだろう・・・・みたいな感じに思えました。
戦術隊やら笛吹き隊というのは組織のいくつかある隊の一つであり、それぞれに役割があるのだろう。
そこでニニーやのえる達は仕事の内容で実績ポイントが貯まっていくシステムで働いている。
とはいえこれもきっとあんまり重要になってくる訳じゃないだろうなぁと想像出来る。
黒化(ライフアウト)というのはドラゴンがダークドラゴンに変貌してしまう現象なのかなぁ・・・とか、ドラゴン保険はそのままだけど、それがあるという事はリバース・ロンドンにおいてドラゴンがある意味では身近な存在なんだろうなぁと思ったり。
まあ要するに「BURN THE WITCH」の方は難しそうなワードでも、その響きや字体でイメージが出来るんですよね。
一つ一つのワードをそこまで重要視していないというか、それもあってさらっと読ませてくれるのが上手いポイントなのかなぁと思ったり。
もちろんこれらも非常に強い「絵」の力があってこそ出来る事なのかもしれませんけどね。
絵力の強さと読者を引き込む演出の素晴らしさ
やっぱり漫画において大切な「絵」が圧倒的に魅力的だというのが強いですよね!
最初に見ただけで物凄く惹かれてしまうような主人公のニニーとのえるのビジュアル。
そしてその二人を物凄く印象的に描く演出の素晴らしさには物凄く引き込まれてしまいます。
読み切り版の1ページ目も凄く印象的でしたが、1話目の1ページ目もまた相当なインパクトの強さでしたね。
「おとぎ話なんかクソでしょ」
サングラスをかけてアメをナメている主人公の一人であるニニー・スパンコールの独白のような形で突然始まる1ページ目。
フィクションの漫画でこんなワードを選ぶのもオシャレですし、しかも1ページ目だというのにメインビジュアルとはちょっと違う感じのニニーを描いているというのも凄いなぁと。
そしてそんなニニーが出勤という形で物語の舞台である「リバース・ロンドン」へと移動したタイミングでタイトルバックが見開きで描かれる。
これにはもう一瞬で心を掴まれてしまいますよね。
漫画でこういう演出をするのは非常に難しいと思いますが、それを自然と出来てしまう。
しかもここでの主人公二人の躍動感のあるポーズもまた魅力的で、こんな演出が成立するのも久保帯人先生ならではなのだと思います。
魔法の詠唱も「BLEACH」と重ねていてやっぱり格好良く、「BLEACH」との関係を匂わせているのもファンサービス的という感じで凄いですよね。
作り込まれた世界観やワードセンスの凄さ
読み切り版の時点で完成されていた「BURN THE WITCH」の世界観。
現実の世界の裏側に存在している「リバース・ロンドン」
その世界を中心として生きる沢山のキャラクターが生き生きとしているんですよね。
どうしてもファンタジー作品ってどこか徹底できていない部分が多いというか、世界観を信用出来なかったりするんです。
最近のジャンプだと「魔女の守人」という作品がありましたが、あれは1話目の時点で最初の街(市国だっけ?)の謎のサイズ感の時点で信用を失っていた気がします。
そういうのがあるとどうしても冷めてしまうんですよね。
だったら余計なものを描かなきゃいいのにと。
そういう点で言えば本作は描かなくても良い所は描いてないけど、描くことに意味がある所は過剰なくらいにしっかり描いているという印象です。
全4話だったらもっとシンプルな感じでも全然大丈夫な所なのに、どこを掘り下げられてもしっかりと回答を準備しているんだろうなぁと思えてきます。
凄いと言えばラストで「トップ・オブ・ホーンズ」という護廷十三隊的な組織を登場させたのも凄いですね。
8人も一気に隊長格を出してきましたが(一人はまだですが)どう考えても全4話の物語では活躍させられないでしょう。
しかしそれでも出すという事は、今後どれだけでも物語を広げられる余裕を作っておいた・・・という事なのかもしれませんね。
しかもこのキャラクター達の紹介の部分も凄いですが、まず7人分それぞれの部隊の名前が格好良いのです。
- 魔陣隊(インクス)
- 呪歌隊(アンセムズ)
- 聖務隊(セイクリッズ)
- 笛吹き隊(パイパーズ)
- 戦術隊(サーベルズ)
- 開発隊(パッチワークス)
- 経理隊(ビリオネアズ)
- 人事神罰隊(ギャロウズ)
もうこれだけで強烈なオリジナリティを感じますよね。
漢字での名前自体があんまり被っていないと想います。
開発とか経理はどこにでもありそうですが、あくまでも「開発部」だとか「経理課」とかくらいのものでしょう。
これらに「隊」をつけるのが地味に凄いと思ったり。
で、これらそれぞれに英語版の名前?もあるのですが、これもまた格好良いです。
個人的に面白いと思ったのが、開発隊を「パッチワークス」と呼ばせている所。
開発感があるようなそうでもないようなワードのチョイスが絶妙だよなぁと思いましたね!
更に更にグッと来てしまうのがそれぞれの部隊の隊長?達の名前。
- ブルーノ・バングナイフ
- ロイ・D・ディッパー
- キュントナイア・ミリーヴ
- トロンボーン・タッキネン
- サリバン・スクワイア
- サカ・リン
- ハリー・シェイク
- ウルフギャング・スラッシュハウト
もうこのネーミングセンスの凄さは唯一無二と言えますよね。
声に出して読みたくなる名前というのが凄いです・・!
全4話である事を活かした構成
とにかく久保帯人先生らしい作品になっている本作。
しかし実際の所、読み切り版に比べると今回の1話目は面白いけどそこまで盛り上がりはしていません。
大体バトル漫画の第一話や読切作品というのは、主人公たちが敵をやっつけて終わるイメージでしょう。
本作の読み切り版もそういう感じでしたし、そんな感じで読み切り版は非常に面白くなっていました。
が、今回の第1話は敵は登場したもののそれを倒す所まで行きません。
戦っている様子をお偉方が見て、主人公達ではないキャラクターの討伐を決定するという所で終わっていて、これはこれで面白いものの、1話目で感じるようなスッキリ感は得られないんです。
なので正直少し物足りないくらいの感じでもあった訳ですが、今回はそれで良いんです。
何故なら本作はただの新連載ではなく全4話で完結する物語だったから。
普通の新連載だったら1話目はある程度その話の中でまとめておく必要があるでしょうが、最初から4話と決まっている以上、1話目でまとめる必要もないんです。
今回はいわゆる起承転結の「起」の部分であり、ここでめちゃめちゃ盛り上がらなくても大丈夫だと言えるでしょう。
週刊連載が連続ドラマだとすれば、今回の短期集中連載は映画のようなもの。
最初からそういう構成で物語を作っているんだろうなぁと感じました。
4話であれば読者の反応を気にする必要もありませんし、こういう感じの連載作品があっても良いのかもしれませんね。
BURN THE WITCHが独自用語だらけでも面白い理由についてまとめ
やっぱりジャンプで長いことトップを走り続けていた久保帯人先生はレベルが違うなぁと思わせられた今回の新連載「BURN THE WITCH」
相変わらずキャラクターの魅力は素晴らしいものがありますし、漫画を作るのが圧倒的に上手いんだなぁと感心してしまいました。
そこまでわかりやすい設定とかでなくても、それを感じさせる事なく読ませてしまうのは漫画としてのパワーがあるからなのでしょう。
正直この1話を読んだだけで「4話と言わずにもっと描いてくれ」と思った読者はめちゃめちゃ多いと思います。
設定面も「BLEACH」との繋がりを感じさせてくれますし、定期的にでも良いからやって欲しいなぁと思ったり。
全4話がどういう感じで完結していくのか注目ですね!
今回はここまで。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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